西尾維新
 
公私混同著者紹介:
・・・回文。

戯言シリーズ (講談社)

クビキリサイクル
青色サヴァンと戯言使い

戯言シリーズ一作目にしてメフィスト賞受賞作。
孤島に集められた5人の天才とお供の者たち。予定調和の殺人劇。

戯言シリーズ一作目にして、私の西尾維新初体験。
戯言シリーズは素敵な登場人物が容赦なく死んでしまうというので敬遠してたのでした。
でも良く考えたら、ふだん推理小説や探偵小説ばっかり読んでいるくせに何をか言わんやである。
まず言うこととしては、疲れた。
キャラがアニメ・マンガ・エロゲ的なので疲れたのではない。抗体はそれなりに持っている。
文章が疲れた。
文の構成や選ぶ単語その他もろもろ全部おかしい。徹頭徹尾おかしい気がするので意図的な物だろう。
事実、シリーズが進むにつれ洗練され、独特の言葉遊びの面白世界が展開されていく。
しかし、この「クビキリサイクル」の文章は拒絶反応が出ます。二度読む気はしない作品です。
悪いことばかり書きましたが、「サイコロジカル」まで読んでみて思うことは、全体としての印象度ではこの「クビキリサイクル」が一番です。
登場人物にしろ、物語の内容にしろ。そういう意味ではシリーズの一作目としてとても良かったのではないでしょうか。


クビシメロマンチスト
人間失格・零崎人識

殺人鬼とクラスメイトと誕生会。
鏡と記号と巫女子と戯言。

私の分類だと戯言シリーズは推理小説ではないので、トリックその他にあれこれいう気は無いのですが、これの暗号(?)トリックは面白かったです。
いわゆる解答が最後まで明示されないので、解らないで終わった人はその後ネット等で調べる羽目になるのですが。。。(体験談)
シリーズ二作目のこの作品。内容的に結構暗いのでは?
私はこの時点の、戯言世界の足場の定まらない感じが不快でしたね。
あながち邪推でもないと思うのですが、周りの人たちがウザいので端から排除したような印象を受けました。
そういう意味では、約二名ほど失敗したようですが。


クビツリハイスクール
戯言使いの弟子

閉鎖された空間、学園。閉鎖する私立澄百合学園。
外が内、通称:首吊学園<クビツリハイスクール>。

今まではミステリちっくな作風でしたが、今回はどちらかと言えばアクション風味ですね。
内容は、メチャクチャと言えばメチャクチャなんですが、、私はこの作品のお陰で安定したというか、純粋に楽しめるようになりましたね。
雰囲気的なものかな?
それで、単品としての感想なんですが、私はやはりアクション物は苦手だなぁと。
絶体絶命からの脱出はミステリのトリック的な印象を持ってしまいます。
つまり様式美的というか型が決まっているというか。
でも多くのトリックは焼き直しと見られるのに対して、アクション的な逆転はオリジナルとして捉えられている気がするのです。
そしてオリジナルということへの評価は異様に高い。新しいという言葉の一般的価値観には奇異な物を感じますね。
作品というより、一般的な評価への、しかも反発で申し訳ないですが、そう思ってしまうのです。
脱線した。つまり雑念が入って純粋に楽しめないのです。我がコトながら、あーあ、ですねー。
兎も角、このあたりから自覚的に戯言シリーズにハマっていくのでした。
前半の物語への導入部がメチャクチャ好きです。


サイコロジカル(上)
兎吊木垓輔の戯言殺し

玖渚友のかつての仲間、兎吊木垓輔救出の為、
向かうは、斜道卿壱郎研究施設。

面白い!読んでて楽しい!
もはや取り立てて何処がという話ではなく、全体が、です。
このまま何も無くてもいいんじゃないかと思ってしまう。
それだけに最後に見慣れたものが出てきたときガッカリしてしまいました。
いやもう出てこないと話し進まないってのは解ってるんですが、思ってしまったのだから仕方ない。
そう、ミステリの1パターン、殺人が初めにあるのではなく、
これから何が起きるのか・誰が殺されるのか・そして犯人は誰なのか、を楽しむ。
つまり事件を起点にするのではなく、歯車の回り始めから描くことで得られる未来へのドキドキ感を楽しむ。
のではなく。
単純に雰囲気なり、やりとりなりが楽しかったのですよ。
玖渚友も出番も多かったしぃ。


サイコロジカル(下)
曳かれ者の小唄

-

書きづらいです。
何を書いてもネタを暗喩してしまいそうで。。
帯に堂々と書いてあるので問題ないということにして、
事件が動き始めて何やら、玖渚友ご一行の、特に玖渚友にとって危険な情勢になってきます。
そうなればもう戯言使いさんが大人しくしてる筈もなく、後半はいーちゃん(主人公)の冒険活劇ですね。
うーん。で、「クビツリハイスクール」の後にこれはどうなんですかね?
シリーズを活かしていると言えなくもないですが。
葉を隠すのにまだちょっと木が足りなかった気もします。
逆に間接的なキーワードを読みながらそれと自覚して拾えてしまいましたし。
しかし、読んでてとても面白かったということも言っておきます。ただ読後の感想としてはこうなってしまう。


ヒトクイマジカル
殺戮奇術の匂宮兄妹

-

物凄く面白い物語が物凄いつまらない終焉を迎えたといった感じです。
「サイコロジカル」と同じく事が起こった時点でやっちゃった感が。。
それでも今回は別に楽しみがあったのでソコまでは良かったのですが。。
思うに事ここまで来て、つまらないミステリ要素や、つまらない戦闘描写は必要ないのでは。
決め台詞を吐かせるために躍起になってる気もするし。それも、、前回同様ですね。
筆力の上昇・戯言世界の確定性・ピークに向けた物語の座標、
色々有ると思うのですがそれらに使用ネタがそぐわなくなっていると思います。
足場の確認なのか。溺れている様にしか見えない。
いや途中まで、凄く凄く楽しく読めたのですが。
あと、カバーの仕掛けも良かったです。


ネコソギラジカル(上)
十三階段

-

全部出るまで読まないつもりでしたが、、
間違いなく面白かったのですが、期待以上とは言えないところ。
仕方ないとは思うけど、何かおさらいみたいな話も多いし。
しかしラスト三冊のうちのまだ上巻。ここからです。とりあえず期待しましょう。


ネコソギラジカル(中)
赤き征裁VS.橙なる種

-

アトガキでご本人が語っているように、空転の物語。
物語として腰砕けの感はあるかも知れないけれど、私は楽しめました。
安心したというのが本当の所かも。
最後は期待通りの物語になるのではないかと。最後の舞台はやはりあそこですよね。
ラストは色々うっちゃって、原点の世界を見せて欲しいです。

余談ですが、今回のカバー見た瞬間、SUEZENを連想しました。何度見ても思います。
アイシャドーのせいか、眉毛のせいか、触覚のせいか、髪の毛のせいか、色合いのせいか、指先のせいか、輪郭のせいか、その合計のせいか。
だから何だという話ではないですが。


ネコソギラジカル(下)
青色サヴァンと戯言使い

-

これで終わり。
正直期待はずれでした。最後は玖渚と二人でぐだぐだする話を期待してたのなぁ。。最初に定めたプロット通りにいけたのかな?ってことも考えた。
狐さんの「いいじゃねぇか、どうせ最後だ。みんなでヘタレて終わろうぜ」が妙に印象強かったというか、後ろで書いてる人とダブってしまったというか、そんなことを思ってしまいました。とんでもなくプレッシャー掛かってたんだろうなーとか。
ごめんなさい。
それでもまぁいいところで終わったんじゃないでしょうか。ラストも平凡でしたが、とても好きな終わり方でした。
無事完結ということで、お疲れ様でした。



零崎双識の人間試験

放浪癖のある弟・零崎人識が心配で心配で仕方ないお兄ちゃん・零崎双識。
長身痩躯を背広でキメて、弟探しの旅に出る。

戯言シリーズの外伝に当たるのかな?
順番とすれば「ヒトクイマジカル」の後に読むのがオススメ。
面白かったです。
零崎双識好きだなぁ。家族思いの大人なお兄さん。
殺人鬼集団の零崎一賊のいう”家族”の定義も明かされてます。
成る程、その発想は好きですね。
異端故の結びつきとか、愛とか正義とか、そういうの。


零崎軋識の人間ノック

-

双識の人間試験の方はちゃんと双識が主人公してますが、人間ノックの方はどうも周りのキャラの方が目立ってますね。
『小萩ちゃんの萌えキャラ講座』とかの方が合ってる気がするぞこの本。
クビツリハイスクールで登場の小萩ちゃん。その後、作者がやたらプッシュしている小萩ちゃんですが、登場当時から好きでも嫌いでもないです。
策士キャラは私、すっごい好きなのですが。。『ダイの大冒険』でザボエラ大好きでしたからね。
でもこう中身を省いてタダ凄い凄い言われてもなぁ。ハァなるほど凄いんですね。という他ない。
とはいえ戯言シリーズのあの人この人登場しますので、番外編としては十分に楽しめます。

(2006/11/11 読了)
(2006/12/30 記)



ザレゴトディクショナル

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(2006/07/22 記)


ノベライズ

xxxHOLiC
アナザーホリック ランドルド環エアロゾル

[講談社]

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最初に、『姑獲鳥の夏』が引かれているせいか、CLAMPの(xxxHOLiCの)世界解釈というより、京極夏彦の妖怪シリーズな気がしてしまいました。
微妙にピントがズレているというか。
話もそうですね。や、でもホリックライクではあります。
一話、二話で段々ピントをずらしていって三話目は完全に維新ワールド。
そこら辺は上手いのか? よく分からないけれど、それほど違和感は無かったです。
前の『ニンギョウがニンギョウ』の一話目と三話目ほどでは無いというか。ある意味それ以上にオカシカッタですが、そんな変な感じはしませんでした。
結局、百目鬼クンとひまわりちゃんは名前だけなのかよ!
マルとモロはおろかモコナも名前すらナシなのかよ! 座敷童子ちゃんは出ないのか。。
ノベライズ的なスペシャルが何も無いせいか、キャラクタや世界観のズレが目立って感じられました。
悪くは無いけれど、活きで言えばオリジナル小説の方がイキイキしてますしね。
ということで、ノベライズとしては平凡で無難だったかなと。。

(2006/08/01 読了)
(2006/08/06 記)


DEATH NOTE
アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

[集英社]

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私個人として、いちミステリ小説ファンとしては面白かったですが、いちデスノート読者としては全然でした。
ワタクシも断然L派だったので、とても期待していたのですが。。
しかし、複線に告ぐ複線、小説ならではの騙し躱し賺し、それらのちょっとやり過ぎ感。
ちょっと昔の、探偵小説と呼ばれたころのミステリが好きな私にとっては、とても楽しめました。
驚天動地のトリックがーーってワケでは無いですが、演出と語りのデコレーションは見事でした。
が、只のデスノートファンにはオススメできないですね。。
マンガファンにコレじゃ漫画に出来ないじゃないか、とか、フェアじゃない、とか、言われたらミステリとしても報われないし。
デスノートのノベライズとしては成功したとは言えないでしょう。が、まぁ、私としては満足。
"きみとぼく"の(病院坂の?)続編にも期待が持てるってもんです。

(2006/08/03 読了)
(2006/08/06 記)


その他

きみとぼくの壊れた世界

[講談社ノベルス]

-

読了。


ニンギョウがニンギョウ

[講談社ノベルス]

◆映画を見に行くことになったのは妹が死んでしまったからだ。私は平素より視覚情報に関しては淡白を貫く主義なので、映画を見るのは実に五年振りのこととなり、妹が死んだのも、矢張り五年振りだった。回数を勘定すれば、共にこれが四回目である。映画を見るのは妹が死んだときだけと決めているのではなく、逆であり、妹が死んだからこそ、映画を見るのだ。そうはいってもしかしこうしょっちゅう死なれては私としても敵わない。日頃大きな口を叩いている友人達に合わせる顔がないというものだ。私には合計で二十三人の妹があるけれど、死ぬのはいつも、十七番目の妹だった。
(帯より)

明治文学調で、その日は朝から夜だったな話。全四話からなる短編(?)集。
最初の「ニンギョウのタマシイ」はとても良いですねぇ。好きです。
意図どおりなのか無意識なのかは分かりませんが、段々いつもの維新節になってきて残念でした。
なんちゅーか同じ不思議空間でも種類が違うのですよ。どうせなら最初のノリで最後までやって欲しかったな。
そんな感じ。
(2005/11/06 記)